ショックって何?血圧が低いことじゃないの?!

「先輩!収縮期血圧が90mmHgです。患者さんがショックです!!!」

ショックってどんなときに使いますか?

血圧が低いとき?

それとも、彼氏の浮気を知ったとき??

ショックとは 『組織への酸素供給と循環の障害が引き起こす症候群』のことです。

酸素の需要と供給のバランスが崩れて供給を上回る需要が生じた結果がショックということで、ほとんどの場合に血圧低下を認めるけど血圧の低下はショックの定義ではない、ということは重要なポイントです。

じゃあ、ショックの状態が続くとどうなるか?

早く対処できれば大事に至らないかもしれないけど、ほっとくと臓器が酸素不足で多臓器不全→死亡…。ということになっちゃうから早く対処してあげることが大切です。

そのために、私たちはベッドサイドで患者をモニタリングし、タイムリーに介入し用途準備しているわけです。

さて、ではどう介入していくのか。 酸素の供給を上げて消費を抑えればよさそうです。

酸素消費を抑えるのは例えば熱を下げたり、安静を保ったり…と考えます。

では、酸素の供給を上げるには酸素を投与して、後は何をすればいいのか?

まず酸素はどうやって組織まで運ばれるかを整理します。

肺でガス交換することによって酸素は血液に取り込まれるけど、ほとんど溶けないから大部分は赤血球の中のHb(ヘモグロビン)とくっついて移動します。

1gのHbは1.34mlの酸素とくっつく能力があって、血液中のHbが酸素とくっついてる割合が酸素飽和度(S:サチュレーション)といいます。

なんか酸素飽和度って言うと難しく聞こえるけど、要はSpO2(サット)のことです。 これはP:経皮的にパルスオキシメーターで測った酸素飽和度ってこと。

じゃあSaO2とかSvO2ってなんでしょう!? それはaは動脈、vは静脈の酸素飽和度のこと。

パルスオキシメーターは動脈の拍動(パルス)をひろってSaO2を予測しています。

整理すると

動脈血酸素含有量(CaO2) = (1.34×Hb×SaO2) + (0.0031×PaO2) (単位:ml/dl)

CaO2のCはキャパシティー。

これで血液中にどのくらいの酸素があるか分かります。

PaO2はほとんど無視できるからHbSaO2を上げれば酸素供給が増えそうということが分かります。

あとは酸素がいくら豊富に含まれててもそれを末梢に届けられなきゃ組織は満足しません。

つまり心臓の働き、心拍出量(CO;カーディアックアウトプット)が加わって酸素供給量が決まってきます。

酸素供給量(DO2) = CO×CaO2 (単位ml/分)

Dはデリバリー。

CO一回拍出量(SV:ストロークボリューム)と脈拍数(HR:ハートレート)で決まるからこれを増やしても酸素供給量が上がりそう。

SVは前負荷(preload)、後負荷(afterload)、心収縮力によって決まってきます。

つまり、方向性としては

  • Hbは足りてますか?(通常は7g/dlを切るようであれば輸血:輸血はリスクを伴う)
  • SaO2は維持できてますか?(90%後半であれば100%にする必要はない:酸素の弊害も考慮)
  • COは維持できてますか?(COはHR×SV:SVは前負荷後負荷心収縮力がポイント)

をアセスメントして介入していくことになります。

ショックにはどんな種類があるのかもまとめてみたいと思います。

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