γ(ガンマ)計算

γ(ガンマ)計算って知ってる?

「今、ノルアド何ガンマ?」 ICUで働きはじめた一年目の頃はよく先輩に聞かれました。

ここでモタモタ答えて怒られたのをよく覚えています。

現在は電子カルテの導入でいちいち計算しなくてもγ数が分かるので、聞くことも聞かれることもほとんどなくなりました。

使わない知識は廃れて行く…、世の常です。

先日、CPR後で循環が全然保てずかなり大量のカテコラミンを使用した患者がいました。

ノルアドレナリン20mgを5%ブドウ糖に希釈しtotal50mlにしたものを8ml/hで投与している。

身長163cm、体重は60kg。

さて何γでしょう、という話。

 

まずなぜγ計算が必要なのか。

私たち看護師は、輸液ポンプやシリンジポンプを扱って医師の指示通りに薬剤を投与します。

だから、mgで言われるよりもmlで言ってもらった方が分かりやすい。

例えば「ラシックス10ミリいこうか」といった場合、当然10mg(1ml)なのだが新人看護師なんかは10ml(100mg)投与しそうになって危ないことになる。

注意が必要です。

さて、話を元に戻してガンマとは何か。

エネルギーステロイドの効きが良かった海坊主は別として、

ONE PIECE コミック 1-71巻セット (ジャンプコミックス)

3kgの子供と60kgの大人で3mg/hで薬剤を投与した時に得られる効果が同じはずがない。

そこで登場するのがガンマ計算です。

ガンマというのは投与量の単位のことです。

体重1kgあたり1分あたりに何マイクログラム(μg)投与するかというもの

何のことかさっぱりわかりませんね。

難しくしている要因は3つ。

  • 1分あたり(臨床では時間当たりの投与量で会話している)というところと、
  • μg(臨床ではmgを使う。ちなみに1μg=1/1000mg)を使っているところ、
  • スラッシュが3つもあるところ

ではないでしょうか?

いうまでもなく1時間は60分なので1γをいつも使っている形になおすと

1γ=1(μg/kg/min)=0.06×体重(mg/h) となります。

γ計算の肝はその人にとっての1γは何mg/hかを把握することです。

私は168cm、60kg、(だいぶサバ読みましたが♪)なので、私にとっての1γ=0.06×60=3.6(mg/h)となりそうです。

しかし、γ計算で使われる体重は実測体重ではなく標準体重を用います。

標準体重とはBMI(Body Mass Index) = 体重(kg)/身長(m)/身長(m)において

BMI=22であるような体重を指すので、

標準体重 = 22 ×身長(m) ×身長(m)

私の標準体重=22×1.7×1.7≒62kgなので 1γ=3.73(mg/h)となります。

では最初の質問に戻ります。

この患者さんの身長は163cmだから 標準体重=1.63×1.63×22≒58kgとなり、 1γ=0.06×58=3.48(mg/h)です。

ノルアドレナリン20mgを5%ブドウ糖に希釈しtotal50mlということは 1ml=20/50=0.4mg。

これを8ml/hで投与なので0.4×8=3.2mg/hとなります。

つまりこの患者さんにノルアドレナリンを3.2mg/hで投与している時、3.2/3.48=0.92γで投与ていることになります。

とんでもない量ですね。

後日談でこの方は一命をとりとめ病棟に帰室出来るまでに回復しました。

良かったですねぇ(*^o^*)

今日は個人的に懐かしいガンマ計算の話でした!

よーし、頑張るぞーーー!!
応援よろしくお願いします♪
↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓

看護ランキング  

コメント