心不全の検査-BNPってなに?

BNPは

Brain Natriuretic Peptide の略で、

日本語だと「脳性ナトリウム利尿ペプチド」と言います。

脳性と付いていますが、BNPは実際は心臓から出ている物質です。

なぜ、「脳性」なのかと言うと、このホルモンが最初に豚の脳から見つかったと言う歴史があるからです。

では本題ですが、

BNPは心臓の負荷が増えたり心筋が肥大したりすると心臓から分泌されるホルモンです。

そして、

  • 利尿作用
  • 血管拡張作用
  • 交感神経抑制
  • 心肥大抑制

というか働きで心臓を守ろうとします。  

具体的に検査値をどのように判断すればよいでしょうか?  

日本心不全学会のホームページにはこのように書いてあります。

 

  • 正常値は一般に普及している18.4pg/mlを用いている。この値より低い場合には、潜在的な心不全の可能性は極めて低い。
  • 血中BNP値が18.4-40pg/mlの場合は、心不全の危険因子を有している症例でも、直ちに治療が必要となる心不全の可能性は低い。ただし、症状や症候を十分に加味して判断する必要あり。
  • 40-100pg/mlの場合には、軽度の心不全の可能性がある。ただ、この範囲では、重症心不全である可能性は低く、BNP上昇の原因がある程度特定できれば、そのまま経過観察することもある。
  • 100-200pg/mlの場合は、治療対象となる心不全である可能性がある。心エコーを含む検査を早期に実施し、原因検索をする。
  • 200pg/ml以上の場合は、治療対象となる心不全である可能性が高い。原因検索に引き続き、症状を伴う場合は心不全治療を開始する。

 

BNPの測定は

(1)心不全の存在診断

(2)心不全の重症度診断

(3)心不全の予後診断

の一助になります。

また、BNPは “陽性的中率”は必ずしも高くありませんが、“陰性的中率”がかなりに高い検査です。

つまり、陰性と判定された場合に、真に陰性である確率が高いということです。

なので、BNPが正常であれば心不全である可能性はきわめて低いと考えられると思います。

一般市民向けのBNP検査Q&Aパンフレットもあったので、ご参照ください。

 

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