重症集中ケアの12・1月号が発売になりました。
この雑誌は、定期購読のみでしか買うことができないのが残念なんですが、新人の頃から愛読しているとても専門性の高い雑誌です。
今回の特集は、心臓血管外科術後の患者管理を行うにあたり注意するポイント・合併症への対応までを術式別に解説しています。
ありがたいことに、大動脈弁置換術について執筆させていただきました。
心臓は4つの部屋に分かれていて、肺に血液を送り出す部屋が右心室、全身に血液を送り出す部屋が左心室です。
右心室と左心室の部屋の入り口と出口にはそれぞれドアがあり、この“弁(Valve)”と言われる4つのドアにより、血液の流れを一方向に維持し、逆流を防いでいます。
右心室の入り口の弁が三尖弁、出口の弁が肺動脈弁です。
左心室の入り口の弁が僧帽弁、出口の弁が大動脈弁です。
左心系は全身に血液を送り出すため、右心系に比べて高い圧にさらされます。
そのため、弁膜症疾患の多くは左心系の弁が悪くなります。
今回の執筆では、大動脈弁という左心室の出口のドアが、開きにくくなったり(狭窄症)、きちんと閉じなくなったり(閉鎖不全)といった弁膜症になった際の手術と術後管理について概説します。
ということで詳しくは本編を見ていただきたいと思います。
同じ病名や術式だったとしても、その背景にはその人の物語があります。
肺癌で肺切除した人でも原発なのか再発なのかで、術式は同じでもその患者さんにとっての意味は異なります。
同じAVRでもASなのかARなのかで大きく違います。
「病気を診るのではなく病人を診よ」という基本を大切に、患者の経験や反応を扱う専門職として力を発揮していきたいと思います。
応援よろしくお願いします♪
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コメント
AS,ARは心筋のリモデリングの理解が不可欠ですよね。
若手の頃は開胸手術がすべて同じものに思えていましたが、苦労しながら弁や心拡大/肥大に分けて整理をして、ようやく理解したのを覚えています。
自分が新人のときに坂木先生の執筆された書籍やブログを目にしていたら、人生違っただろうなと現代の若手たちが羨ましいです!
ばやしさん、ありがとうございます。
全然大したことないんですが、学んだことはできるだけシェアーさせていただき、発展させていきたいと思っております。
今後ともよろしくお願いします♪