ICUやCCUでは「人工肺とポンプを用いた体外循環回路による治療」を行うことができるECMO(エクモ)という装置を使うことがあります。
先日、ECMO装着中の患者さんを受け持つトレーニングを始めた後輩看護師からこんな質問を受けました。
疑問をそのまま放置しないことはとてもいいことだと思います。
聞いてもらえる存在であることは嬉しいですね!
答えを伝えつつ、考え方や問題解決の方法を一緒に考えてみました。
まず、脱血管と送血管内の圧力がどうなっているか考えると答えは導き出されそうです。
ECMOは遠心ポンプによる揚程で動脈圧に負けない圧力を作り出します。
揚程とはポンプが駆出できる圧力の事です。
人工心肺の業界ではポンプの吐出圧≒揚程と考えて良いそうです。
ECMOをウィーニングしていくときに、回転数を落としていく際は、遠心ポンプの揚程が動脈圧に負けないようにすることは大切なポイントです。
じゃないと、動脈圧に負けてしまいます。
回路内は逆流を防止する弁などはないので、遠心ポンプが止まってしまった場合は、逆流が起きシャントとなってしまうので、鉗子で遮断しないといけないわけです。
話を戻します。
脱血管は陰圧、送血管は陽圧です。
脱血管で注意すべきことは、回路内に空気が混入しないようにすることです。
陰圧である脱血管がキンク(折れ)やクランプするとキャビテーションによる空気が発生します。
キャビテーション とは、「液体の流れの中で圧力差により短時間に泡の発生と消滅が起きる物理現象(By ウィキペディア先生)」です。
逆に送血側は強い陽圧となっているので、出血に注意です。
ということで、最初の後輩の質問です。
答えは『送血側』ですね。
ウィーニングの際に鉗子を使う際は間違っても脱血側をクランプしないようにしましょうね。
今回のスライドはうちのスパーCEが勉強会で使ったものを一部紹介しました。
ネットでも観れるので興味がある方はそちらをご覧ください。
オススメの本も載せておきます。
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