ABCDEFバンドルって知ってますか?
2010 年にVasilevskisさんたちが提唱したものです
Reducing iatrogenic risks: ICU-acquired delirium and weakness–crossing the quality chasm.
これは、人工呼吸器装着している患者さんの管理で、せん妄とICU-Aquired weakness を予防するために ABCDE を頭文字とする管理をバンドル(束=全部やる)でやってみようという概念です。
A:Awaken the Patient Daily : Sedation Cessation = 毎日の覚醒トライアル
B:Breathing : Daily Interruptions of Mechanical Ventilation = 毎日の呼吸器離脱トライアル
C:Coordination : Daily Awakening and Daily Breathing = A+B の毎日実践
D:Delirium monitoring =せん妄のモニタリングとマネジマント
E:Early Mobility and Exercise =早期離床
ABCDEバンドルはその後どんどん進化していきます。
CCM2017ではABCDEバンドルはABCDEFバンドルとなりました。
Aが痛みのアセスメント、予防、管理についてとなり、Fの家族の力を活用し、エンパワーすることが追加されました。
このように進化してきたABCDEFバンドルは効果があるのでしょうか?
CCM2017にABCDEFバンドルの効果を研究した論文がありました。
Improving Hospital Survival and Reducing Brain Dysfunction at Seven California Community Hospitals: Implementing PAD Guidelines Via the ABCDEF Bundle in 6,064 Patients.
この研究の目的はABCDEFバンドルの遵守と、病院の生存期間、せん妄・昏睡期間の関係を明らかにすることで、多施設前向きコホート研究です。
6064名のICU患者を対象にしています。
さて、結果やいかに?? 対象はおよそ4分の1は呼吸器管理をされており、ABCDEFバンドルの要素すべてに適合しました。
呼吸器管理を受けていない患者は、バンドルの遵守を評価する際にA(SAT)、B(SBT)、C1(SAT+SBT)の要素の対象から外しました。
患者アウトカムと遵守率に関してです。
10人に1人が退院する前に死亡し、ICU在室日数は3日、在院日数は5日でした。
ABCDEFバンドルの遵守率は89%、95%とともに高かったです。
この図は、横軸がバンドルの遵守率、縦軸が生存率を表しています。
上のAはバンドルの要素を全て実施したものを分析していて、下のBは要素を部分的に実施しているものを分析しています。
すべてのバンドルの遵守率が10%増加するごとに、院内生存率が7%有意に増加します。
部分的なバンドルでも、遵守率が10%増加するごとに、院内生存率が15%有意に増加することが示されました。
この図は横軸がバンドルの遵守率で、縦軸にせん妄・昏睡フリーの日数です。
すべてのバンドルの遵守率が10%増加するごとに、せん妄・昏睡フリーの日数が2%増加し、部分的な遵守率が10%増加するごとに、せん妄・昏睡フリーの日数が15%増加しています。
このように、観察研究ですが、ABCDEFバンドルが効果的だという結果が出てきました。 看護師ができることはとても多いように感じます。
実際にやれていることも多いのではないでしょうか。
一つ一つを丁寧に可視化して発展させていけるように、自分も行動していきたいなぁと思います。
毎週日曜日にブログ更新予定(あくまで予定です)! よーし、2018年もがんばるぞー!!!
応援よろしくお願いいたしますm(__)m♪
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