刻み食について考える

食べる機能が落ちている人には、なんとなく刻み食の方が食べやすそう…。

そんなイメージはありませんか?

実は、これは大きな誤解です。

今回は、刻み食について考えます。  

 

まず、食べること「摂食嚥下」についてざっくり復習です。

食べる時は食事内容を認識し、口に入れて「噛む、まとめる、飲み込む」ということをしています。

これを摂食・嚥下モデルでは5段階に分けて分類しています。

この準備期では、口に入れた食物を噛み切り、噛み砕き、すりつぶし、舌や頬の運動で唾液と混ぜ合わせて食塊を作って、飲み込む準備をします。

食塊というのは、まとまりがあって柔らかく、咽頭を通過しやすい一塊りの食物という意味があります。  

食物を噛み切り、噛み砕き、すりつぶすことだけを考えるなら、刻み食はすでに細かくされているので良さそうです。

しかし、咀嚼力が低下している場合は、 多くの場合、舌の運動機能や唾液の分泌が低下しています。

すると、刻み食はまとまりづらく、バラバラのまま咽頭に送り込まれてしまうので、誤嚥の原因になってしまいます。

また、液体と固形物を一緒に摂取する味噌汁やお茶漬けなどの食事形態を二相性食物といいますが、液体と食塊は嚥下までの送り込みや嚥下惹起のタイミングが異なるので、誤嚥の可能性が高まるといわれています。

刻み食では水分が出てしまい二相性食物の形態になっていることが多いので、これも誤嚥の原因になります。

大切なことは、舌や頬の運動で食塊形成ができるか、嚥下機能が維持できているかをアセスメントすることです。 食塊形成が難しいのであれば、刻み食にとろみをかけてまとめやすくする方法や、「高齢者ソフト食」のように咀噌と食塊形成を考慮した調理方法を選択すると良いです。

日本摂食・嚥下リハビリテーション学会嚥下調整食分類 2013 を参考にしてください。  

食事は栄養摂取以外にも、見た目や匂いで食欲が湧き、味わい、その場には会話が生まれ、それは生きる力につながります。

食事形態をその患者さんに合ったものにする看護はとても重要ですね。

 

今回の内容はエキスパートナース 5月号 エキスパートナースの5月号に載っているので、興味のある方は是非。

 

 

よーし、頑張るぞーーー!!

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