ICUの患者さんたちってどんな体験をしているんでしょうか?
それが少しでもわかると、私たちの実践を変えるヒントになるかもしれませんね。
ICU患者の体験を調査する研究の多くは、状態が落ち着いた後に患者にICU滞在中の記憶を想起してもらうことによってデータ収集しています。
つまり、言い換えれば体験ではなく記憶の研究とも言えるわけです。
人工呼吸器装着患者の約8割は、装着時の何らかの記憶をもっているとされています。
ある研究によると、人工呼吸器装着中の記憶がある患者は、みな不快な記憶をもっており、そのうち6割は対称的な快の記憶をもっている、といわれています。
クリティカルな状況では、生命を優先するあまり、医療者が患者を人間的に見られない状況になりやすいといわれています。
でも、ICU患者の体験を少しでも想像するだけで、私たち看護師が患者のためにできることの多さを感じることができるんじゃないかと思います。
このような研究の蓄積のおかげで、患者の体験がわかるようになってきましたが、記憶を調査するツールが2000年以前はなかったため、研究を統合することは難しく、疫学や危険因子、影響や介入についてはよくわかっていませんでした。
そこで、Jonesさん達は5年以上をかけてフォローアップクリニックでICU患者の記憶の記述を蓄積して、ICUメモリーツールという記憶を測定するツールを開発しました。
日本語版がないので研究をするときに苦労をしている人が多いのではないかと思います。 私もその一人です。
そのため、今年、集中治療医学会に 「ICU入室患者の記憶 ─予後に与える影響と妄想的記憶に対する介入」 という総説を投稿させていただきました。
ここに、ICUメモリーツールを翻訳して載せているので、ちょっとした参考になるのではないかと思います。
先日発売になった 「人工呼吸器ケアはじめの一歩」にも、人工呼吸器を装着された患者の体験やICUメモリーツールについて書いています。
この本は、人工呼吸器という機器について書くのではなく、機器を装着される患者の反応と看護を中心に書いているのが特徴なので、是非興味のある方はみて見て下さい。
応援よろしくお願いします♪
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